九州に新たなAIの波が到来!日台協力で未来の基盤を築く
TSMCの熊本進出で再び注目を集める九州が、今度はAIインフラの新たな拠点となろうとしています。台湾の金運科技(Kentec)・鵬碩系統(Agaruda System)連合と、日本の日立エナジー、ニデック、信越科学産業がタッグを組み、1GW級の国家AI基盤を九州に導入すると発表しました。これは、単なる技術協力に留まらず、日本社会のAI需要に応え、デジタルレジリエンスを強化する大きな一歩です。
鹿児島県にはすでに1GW規模の電力供給拠点が確保されており、台湾の成熟したサーバーサプライチェーンと日本の最先端電力・冷却技術が融合することで、350MWものAI計算資源を供給可能なデータセンターの建設が計画されています。

「日本の技術力+台湾の統合力」で実現する次世代データセンター
今回の提携は、まさに「Win-Win」のモデルを体現しています。金運科技の謝明凱会長が語るように、日本が持つ広大な土地、豊富な電力、そして世界最高水準のインフラ技術に、台湾が誇る世界最先端のAIサーバーサプライチェーンとシステム統合能力が加わります。
Foxconn(鴻海)やQuanta(広達)、Giga Computing(技鋼)、ASUS(華碩)といった台湾AIサーバー大手の生産能力が日本へ導入されることで、AIデータセンター建設に必要な重要設備を迅速に確保できる体制が整います。
さらに、このプロジェクトの心臓部には、日立エナジーの高圧電力システムと、Googleも認めるニデックの冷却設備が採用されます。日本のコア技術と台湾の製造・統合力が結びつくことで、これまでにない強力なAIインフラが誕生するでしょう。
AIワールドシミュレーターが描く「考えるデータセンター」
1GWという巨大なインフラを効率的に稼働させるために、鵬碩系統(Agaruda System)が導入するのが独自の「AIワールドシミュレーター」技術です。これが従来のデータセンターとは一線を画すポイントです。
鵬碩系統の許傑貴会長によると、「Cintamani(シンタマーニ)」プラットフォームを通じて、鹿児島県の建設予定地が仮想空間に1:1で再現されます。AIシミュレーションによる干渉予測とIPD(統合プロジェクトデリバリー)手法を組み合わせることで、数年かかっていたデータセンターの建設工期を約30%も短縮できる見込みです。これは、日本のAI算力整備目標の早期達成に大きく貢献するでしょう。

AgarudaのAIは、ニデックの冷却設備や日立の電力システムとミリ秒単位で連動します。GPU負荷を能動的に予測し、冷却リソースを調整することで、データセンター全体がまるで「考える有機体」のように機能し、エネルギー効率を最大限に高めます。
金運科技は、NVIDIAとの協力のもと、デジタルツインを用いたデータセンター機房モデルのシミュレーションを実施。熱循環まで精密に模擬できる数少ないEPC(設計・調達・建設)事業者として、顧客の設計期間短縮とデータセンター内の常時情報把握を実現します。
「熱回収」で持続可能な未来へ!九州から広がる新常識
本プロジェクトが九州を選んだのは、「シリコンアイランド」復興のビジョンに深く共鳴しているからです。次世代のAIデータセンターは、単に電力を消費するだけの施設ではありません。
この連合は、先進的なESG技術である「熱回収(ヒートハーベスティング)」を日本に導入します。金運科技の熱交換技術によって廃熱を回収し、それを農業や地域の暖房資源として有効活用する計画です。こうした省エネへの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)に対する日本の期待にも応えるものです。
この提携は、鹿児島だけでなく、オーストラリアのプロジェクトにおいても信越科学(SSI)と連携して展開される予定です。台湾企業は「最強の盟友」として、日本の産業界と共に、九州をアジアで最も強固なAI計算力の要塞へと発展させることを目指しています。

関東から関西にかけて約2.9GW規模の潜在的な開発案件が把握されており、今後の展開にも期待が寄せられます。株式会社トモトモが日本での広報・展示運営を担い、現地でのブランド認知とネットワーク構築を強化していくとのことです。

