
AI技術の進化が止まらない今、私たちの生活やビジネスは大きく変わろうとしています。このAIブームを支えるのが、データセンターや高性能サーバーといったAIインフラへの莫大な投資です。市場調査会社IDCの予測によると、世界のAIインフラ投資額は2029年には7,580億米ドルに達し、2026年から約60%も増加する見込みです。
この巨大な成長市場において、特に注目されているのが台湾のサプライチェーンです。半導体製造から、AIサーバーの性能を左右する放熱技術、そして電力供給の要となる配電盤まで、台湾企業がその核心を担っています。今回は、「ワイズ機械業界ジャーナル」の最新号から、この台湾サプライチェーンがどのように世界のAIインフラを支え、未来を形作っていくのか、その魅力に迫ります。
世界のAIインフラ投資、台湾が担う役割とは?
生成AIの普及に伴い、高性能なGPUやASICといった半導体の需要が爆発的に増加しています。この最先端半導体の製造において、台湾積体電路製造(TSMC)が先進プロセスをほぼ独占していることは、広く知られるところでしょう。
しかし、台湾の役割はそれだけにとどまりません。半導体製造後の封止・検査を担うASEHや、AIサーバーの基盤となるABF(味の素ビルドアップフィルム)基板の世界最大手であるユニマイクロンなど、多岐にわたる企業がAIサプライチェーンの重要な一角を占めています。
特に、次世代GPUは発熱量が非常に高く、これを効率的に冷却する「液冷システム」の標準搭載が見込まれています。奇鋐科技(AVC)や双鴻科技(オーラス)といった台湾の放熱部品メーカーは、この分野で受注を大きく伸ばすことが期待されており、AIインフラの性能向上に不可欠な存在となっています。

2026年、機械業界の展望と新たな動き
2026年の台湾機械業界全体は、AIや半導体設備の国産化という「追い風」と、米中関税戦争や中国製安価製品の流入という「向かい風」が拮抗し、全体としては横ばいで推移すると予測されています。
しかし、その中でもAIと半導体関連設備は需要増が続いており、この分野が業界を牽引する形となるでしょう。特定の分野に特化し、技術力を高めることが、これからの時代を生き抜く鍵となりそうです。
AIデータセンター市場を狙う配電盤大手・宏于電機(HYEC)
AIデータセンターの建設ラッシュは、電力供給インフラにも大きな影響を与えています。配電盤大手の宏于電機(HYEC)は、仏シュナイダーエレクトリックから低電圧配電盤「オッケン」の台湾独占技術ライセンスを取得し、国際安全規格IEC61439に準拠した高い信頼性を武器に、AIデータセンターや公共インフラ向けの受注獲得を目指しています。東南アジア市場への進出や株式上場も計画しており、今後の成長が期待される企業の一つです。
ポンプ・バルブ業界の明暗
国内の半導体工場建設需要に支えられ、2025年1〜11月のポンプ・コンプレッサー・バルブ製造業の輸入額は前年同期比25.42%増と大幅に伸長しました。特に電子産業向けの「液体用ポンプ」が堅調です。
一方で、輸出は関税戦争の影響もあり3.42%減となり、伝統産業向けの「真空ポンプ」は大幅減となるなど、需要先によって明暗が分かれています。AIインフラの拡大が、関連する機械部品業界にも新たな需要と変化をもたらしていることが分かります。
未来を動かす台湾の力
AIが社会の基盤となる時代において、台湾のサプライチェーンは、その技術力と柔軟性で世界のAIインフラを支える重要な役割を担っています。半導体から放熱、配電盤、そして機械設備に至るまで、台湾企業の動向は今後のAI産業の発展を読み解く上で欠かせない要素となるでしょう。
AI関連ビジネスへの参入や投資を検討されている方は、これらの情報を参考に、台湾の持つ可能性に目を向けてみてはいかがでしょうか。きっと、未来を切り開くヒントが見つかるはずです。
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